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2025年10月、最低賃金大幅引き上げへ ~問われる中小企業の人事戦略~

2025年10月からの最低賃金は、昨年の50円を上回り、60円を超す大幅な上昇となる見込みです。時給ベースではわずかな差に見えても、月額に換算するとパート社員を中心に1万円以上の賃金増となります。

一方で、採用市場の環境は依然として厳しく、人を増やしたくても採用できない、あるいは採用できても高騰する人件費がネックとなり、複数人の増員は現実的に難しい状況です。


企業に求められる対応の方向性

こうした環境の中で、企業がとるべきアプローチは大きく3点に整理できます。

① 業務の効率化・自動化

  • ●人を増やすのではなく、既存の人材で業務を回せる仕組みを作る

  • ●RPA、AI、デジタルツールの活用により、定型業務の削減を進める

  • ●業務フローの棚卸しと見直しを継続的に行う

② 簡易的な人事評価制度の導入

  • ●パートや定型業務のスタッフに対しても、評価を通じて昇給の差をつける

  • ●勤怠、業務習熟度、チーム貢献など、シンプルな評価基準を設定

  • ●公平性・透明性を確保し、納得感のある評価や処遇の仕組みを運用する

③ 優秀人材のリテンション(定着化)

  • ●人事評価で良い結果が出ている人材は、正社員や時短正社員への登用を積極的に進める

  • ●賃金水準だけでなく、安心感・成長機会・働きやすさを提供することで定着を図る

  • ●将来の中核人材として、パート入社からであってもキャリアパスを示すことが有効


まとめ

最低賃金の引き上げは、企業にとって大きなコスト増となる一方で、「人材の質」を重視する経営への転換を迫るきっかけとも言えます。

効率化による省人化、評価制度を通じたモチベーション向上、登用によるリテンション――これらを組み合わせることで、単なるコスト負担に終わらせず、組織力の強化につなげることが重要です。


貴社では、最低賃金引き上げへの対応策をどのように検討されていますか?

この記事を書いた人

ヒサエダコンサルティング
久枝良彰
監査法人トーマツのマネジメントコンサルティング部、およびグループ会社のトーマツコンサルティング株式会社で、組織・人事コンサルティングのプロジェクトマネージャーとして在籍。平成17年9月に、有限会社ヒサエダコンサルティングを立ち上げ、代表取締役に就任。これまで、多数の企業・公的機関・医療機関に対して、組織・人事制度のコンサルティング支援を経験している。また、学校法人産業能率大学の契約講師として、全国の企業・地方自治体の管理職研修・人事評価者研修を多数実施している。平成21年度より、中小企業基盤整備機構・中小企業大学校の契約講師も務める。九州大学大学院(MBA)修了、「組織論」を中心に研究。
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