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新卒初任給大幅アップの陰で進む「既存社員との給与逆転」問題――企業が今、取り組むべき賃金体系と評価制度の再設計とは?
大卒初任給の見直しが相次ぎ、大手企業を中心に初任給30万円時代が現実味を帯びてきました。これは若手人材の確保に向けた企業の積極姿勢の表れでもありますが、一方で見逃せない課題が浮上しています。
「初任給を大幅にアップすると、先輩社員と給与が逆転する。既存社員とのバランスが課題だ」
こうした声が現場の人事部門から相次いでいるように、「新卒だけが手厚く、社内に不公平感が広がる」「自分と給与が近い新入社員には、先輩も快く指導したがらない」というリスクが、企業の組織運営に影響を及ぼし始めています。
目次
■ 賃金逆転リスクと「就職氷河期世代」の課題
多くの企業ではこれまで、年功的な昇給カーブに依拠しつつ、段階的に昇給をしてきました。しかし、初任給が一気に数万円~10万単位で上昇すれば、現行の昇給や基本給テーブルでは機能せず、入社数年目の社員や中堅層と逆転するケースが起こります。
さらに深刻なのが、いわゆる就職氷河期世代(現在の40~50歳代)との賃金格差です。
- ・入社時から賃金が抑えられた世代であり、昇給・昇格の機会も限定的
- ・管理職登用が進まず、賃金カーブがフラットに推移
- ・若手社員との賃金差が急速に縮小、場合によっては逆転
これらの構造は、中核人材の活躍促進を妨げる要因となっており、制度的な見直しが求められています。
■ 単なる賃金テーブル見直しにとどまらない「本質的な改革」が必要
初任給アップに対応するには、賃金テーブルの見直しだけでは不十分です。年齢や社歴ではなく、実績・能力・貢献度に応じて公正に処遇する仕組みや運用が改めて問われています。
そのために、次のような評価制度・目標管理(MBO)も同時に見直すことが重要です:
◯ 成果重視型の人事評価制度へのシフト
- ・年齢・在籍年数に依存しない評価基準の導入
- ・チーム成果や非定量的な貢献(育成、改善提案など)も評価対象に
◯ 目標設定の質を上げる運用改善
- ・一律・形骸化した目標設定から脱却し、部門の中長期目標と連動
- ・自発性と納得感を促す1on1面談・振り返りの制度化
◯ 評価結果と報酬の明確な連動
- ・評価結果に基づく昇給・昇格の透明なロジック設計
- ・報酬反映のタイミングや額を明確化し、説明責任を果たす制度運用
■ 弊社でのご支援内容
当社では、以下のようなトータルな視点で支援を行っています:
- ・賃金テーブル・等級制度の再構築と世代間バランス調整
- ・成果・貢献に応じた人事評価制度の設計・導入
- ・公平性と納得感を重視した目標管理制度の再設計支援
- ・評価者向け研修、評価者に対して目標記載に関する1on1指導
■ まとめ
新卒採用強化と人材多様化の時代において、制度運用の「公平性」や「納得感」はますます重要になっています。そして、成果を出した人が評価され、報われる仕組みが改めて求められています。
「制度はあるが、うまく機能していない」
「初任給だけを上げて社内にしこりが残った」
そんな声が聞かれる今こそ、制度の中身を問い直す好機です。