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新任管理者のための動機づけ理論とは
4月になり、はじめて自分に部下ができたという方もいらっしゃるでしょう。
今回は、「動機づけ」について考えてみます。
A.H.マズローの欲求5段階説です。マズローは、人間の欲求は並列的に並んでいるのではなく、低次の段階からその充足度により高次の段階へと段階的に成長していくという説を論じました。今回は、職場を例にして説明します。
最も低次な欲求1段階目は、「生理的欲求」です。最低限生活できるだけの基本的な賃金ということになるでしょう。
次に「安全・安定の欲求」です。基本的な賃金はもらっても、命をかけるような危険な仕事はしたくありません。
3段階目は「帰属、連帯の欲求」です。できれば、人間関係の良い職場で働きたいという欲求があるでしょう。
4段階目は、「自我、自尊の欲求」です。顧客や上司から認められたい、部下から尊敬されたいという欲求です。
最も高次元の欲求は「自己実現の欲求」です。仕事そのものに感じるおもしろさです。ある時点になったら、誰かに強制されたり、報酬だけを目的に仕事をするのではありません。自分が達成感を得たいという自己実現をしたくて仕事をします。
下から上にかけて、低次元から高次元の欲求になります。
帰属、連帯の欲求までは生存の欲求、自己実現と自我・自尊は成長の欲求と言えます。
マズローは、この5段階の説明として、生理的欲求を底辺に、自己実現の欲求を頂点とし、三角形で示しました。
どうして三角形で示したのでしょうか?
これは、下の欲求は人間であれば誰でもあり、上の欲求は最初から誰でも持っているわけではなく、開発していく必要がある、ということからです。
そして職場において、欲求の開発を支援するのは、上司の役割ということになります。相手をほめて、相手が自己実現できるように仕事を与え、適切なサポートをすることが、上司の役割で、腕の見せどころです。
そして、上司も部下と同じ人間です。上司が、より高次の欲求を持って仕事をしていなければ、部下に高次の欲求を働きかけることはできません。
皆さんの動機づけの段階は、どの辺りにありそうでしょうか。