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組織に“ゆらぎ”を

2010/01/06

2010年になりました。
一昨年から引き続き景気は良くありませんし、地方の企業にとっては2000年以降、良くなる時期もなく低迷が長引いている状況だと思います。

景気が低迷すると、企業は自社を守るために、様々な投資を抑え、採用の抑制や自主退職者が減るなど組織の硬直化に向かいます。

組織論としても名著である『失敗の本質 日本軍の組織的研究』(中央公論新社)では、
「組織が継続的に環境に適応していくためには、組織は主体的にその戦略・組織を環境の変化に適合するように変化させなければならない。このようなことができる、つまり主体的に進化する能力のある組織が自己革新組織である。組織は、自己革新行動を通じて日々進化をとげていく。
適応力のある組織は、環境を利用してたえず組織内に変異、緊張、危機感を発生させている。あるいはこの原則を、組織が進化するためには、それ自体をたえず不均衡状態にしておかなければならない、といってもよいだろう。」

としています。組織が硬直化することで、さらに外部環境の変化に対応できていないなど悪循環に陥ることは避けなければいけません。

そのためには、多様な人材や情報、やり方を取り入れ、部門間の風通しを良くし、皆が一緒に問題解決にあたる場を生み出すなど、意識的に「内向き」から「外向き」に対策を講じ、組織の中に緊張とゆらぎを起こしていくことが必要です。

そして、その際には批評家や傍観者ではなく、困難に立ち向かう社員が重宝されなければならないでしょう。人事制度も、そのような社員を後押しするような仕組みである必要があります。

この記事を書いた人

ヒサエダコンサルティング
久枝良彰
監査法人トーマツのマネジメントコンサルティング部、およびグループ会社のトーマツコンサルティング株式会社で、組織・人事コンサルティングのプロジェクトマネージャーとして在籍。平成17年9月に、有限会社ヒサエダコンサルティングを立ち上げ、代表取締役に就任。これまで、多数の企業・公的機関・医療機関に対して、組織・人事制度のコンサルティング支援を経験している。また、学校法人産業能率大学の契約講師として、全国の企業・地方自治体の管理職研修・人事評価者研修を多数実施している。平成21年度より、中小企業基盤整備機構・中小企業大学校の契約講師も務める。九州大学大学院(MBA)修了、「組織論」を中心に研究。
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