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コンサルティング会社の組織立案について

2009/03/18

あるコンサルティング会社の組織立案に携わっています。
組織の規模が徐々に大きくなり、コンサルティング部長が全て把握することが難しくなっている、またリーダークラスの人材に営業の数値責任を持たせて営業活動もがんばってもらわないと業績的に問題がある、という状況の会社です。
ここでは、今後、事業運営の権限や数値責任を大きくチームリーダーに委ねて、メンバーは自ら希望のチームを申請できる(社内フリーエージェント)、という案で検討が進んでいます。

この会社の場合、チーム制及び社内フリーエージェントについて、可能性として心配な点は大まかに2つあります。
(1)同一事業のチームが複数生まれることになり、チーム間の過度な競争意識が生まれ、情報の共有が進まない、ノルマ主義に陥る。また、種を撒いたり、今後育成が必要な事業やコンサルティングサービスの収穫を急いでしまうこと。これについては、以下の対応が望ましいと考えています。
●当初は、件数や売上を個人の人事評価とは切り離した運用を行う。ただし、リーダーとメンバーは分けて考える。会社全体の業績は、メンバーにも賞与で反映する。
●リーダー会議を定期的に行い、チームの垣根を超えた情報共有、協業を進める。
 
(2)全ての社員が、希望のチームに配置される訳ではない。リーダーとメンバー間の不仲が出てくる。これについては、以下の対応が望ましいと考えています。
●リーダー会議や管理職研修などを通して、リーダーに対して、メンバーの動機付けや育成に対する意識付けを図る。
●メンバーから直接コンサルティング部長へSOSを出せる救済窓口を設ける。
●まずはチーム編成を1年などの長期ではなく、6ヶ月程度毎に見直す。ただし、頻繁にチームが変わるとお客様にご迷惑がかかるため、短期の見直しも問題がある。

これらを踏まえて、4月から新組織がスタートすることになりました。
成功の肝は、リーダー、そして部長のフォローにかかっています。
 

この記事を書いた人

ヒサエダコンサルティング
久枝良彰
監査法人トーマツのマネジメントコンサルティング部、およびグループ会社のトーマツコンサルティング株式会社で、組織・人事コンサルティングのプロジェクトマネージャーとして在籍。平成17年9月に、有限会社ヒサエダコンサルティングを立ち上げ、代表取締役に就任。これまで、多数の企業・公的機関・医療機関に対して、組織・人事制度のコンサルティング支援を経験している。また、学校法人産業能率大学の契約講師として、全国の企業・地方自治体の管理職研修・人事評価者研修を多数実施している。平成21年度より、中小企業基盤整備機構・中小企業大学校の契約講師も務める。九州大学大学院(MBA)修了、「組織論」を中心に研究。
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