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ローカル社員の集合研修

 あるお客様で、営業拠点における現地採用の事務社員を対象とした研修を行いました。そのお客様は、地方に本社を置く会社で、全国に営業所を展開しています。

 総合職の社員は、本社で一括採用し、各営業拠点に配置され、定期的に異動があります。しかし、営業拠点の事務社員は、現地採用で、10年以上の勤務者でも、本社を訪れたことがない方がほとんどです。また、本社と営業拠点、営業拠点間では、基本的に電話のやりとりであるため、声は良く知っているものの、顔は見たことがない、という状況でした。ちなみに、各営業所に事務社員は1名体制です。

 このような背景のもと、本社の総務部の社員も加わって、研修を開催しました。

 研修は、9時から17時の一日で、3つのセッションで構成しました。

 1つ目のセッションは、各々の職場で起こっている潜在的・顕在的な問題点を共有し、解決の方向性を検討することです。5~6名のグループを複数設け、各営業所で抱えている問題点、疑問点を洗い出していただきました。これは、普段、なかなか口に出して言えない事を発散させていただく意味合いもあります。また、会社としては、各営業所で不正などが行われている可能性がないか、監査の意味合いもあります。参加者の皆さんは、お互い初対面のはずが、一致する意見も多く、大変盛り上がりました。また、会社としても今後対処していかなくてはならない課題が見つかりました。

 2つ目は、固定概念を突破し、対人や物事に対する見方についての視野を拡げるセッションです。1つ目のセッションで、身の回りの問題点を洗い出しました。しかし、問題によっては本人の思い込みであったり、自分自身に関わることでもあったりします。そこで、特に対人関係において、これまでの自分の見方に加えて、もう一つの視点で、自分の思いを疑ってみる、という練習をしました。

 3つ目のセッションは、キャリア開発です。自身の過去の職務経験、現在の強みと弱みを洗い出し、今後の目標を設定しました。1つ目のセッションでは周りに対して、2つ目のセッションでは自分の見方に対して考えてきましたが、最後のセッションでは、自分自身のキャリアを棚卸し、今後の目標を見定めていただく内面化のためのセッションです。

  研修最後に、一人ひとり、今後の目標を発表していただきましたが、皆さん目を輝かせて、大変前向きな発言をいただきました。

 私自身、今回のようなローカル社員を一同に集めての研修は、初めてだったのですが、職場の課題の洗い出し、社員の動機づけ向上・コミュニケーション促進・会社へのロイヤリティー向上など、様々な効用がある研修ができたと思います。確かに、交通費・宿泊費なども含めると、一定の費用はかかりますが、予想以上の効果が上がるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

ヒサエダコンサルティング
久枝良彰
監査法人トーマツのマネジメントコンサルティング部、およびグループ会社のトーマツコンサルティング株式会社で、組織・人事コンサルティングのプロジェクトマネージャーとして在籍。平成17年9月に、有限会社ヒサエダコンサルティングを立ち上げ、代表取締役に就任。これまで、多数の企業・公的機関・医療機関に対して、組織・人事制度のコンサルティング支援を経験している。また、学校法人産業能率大学の契約講師として、全国の企業・地方自治体の管理職研修・人事評価者研修を多数実施している。平成21年度より、中小企業基盤整備機構・中小企業大学校の契約講師も務める。九州大学大学院(MBA)修了、「組織論」を中心に研究。
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