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人事制度見直しプロジェクトが会社再建の契機に
経営再建中のある会社で、人事制度の見直しプロジェクトに参加したケースがあります。
歴史のある会社で、バブル期以前、様々な事業に手を拡げた結果、その反動で負債や業績の落ち込みが大きく、経営再建に至りました。
この10年は、事業の縮小や人件費削減により、組織全体が後ろ向きで、悲観的になっていました。
構築前は、『当社は、様々な事業があるのだから、一つの人事制度を作り上げるのは無理だ。ましてや現場の事情を知らない外部の人間が手伝っても無理だ。』というある幹部の意見も頂きました。
一方で、『当社は、できないと思い込むと、組織で共有することなく、自分で抱え込んで時が過ぎるのを待つ、という体質になっている。
できないから検討しない。この考え方をまず変えなければならない。材料を検討した上で、その上でやるか、やらないかは決めればよい。』
と別の幹部が中心になって、他の幹部層に人事制度の見直す意義を説いていただきました。
このプロジェクトは、1年間続いたのですが、結果として、単に年功序列から能力主義への処遇構造の見直しというだけでなく、会社の変革に向けた一つの契機となりました。
それまでその会社は、部門の垣根が高く、人事制度見直しプロジェクトのような、クロスファンクショナルな検討スタイルは、ほとんど見られませんでした。
部門横断的に話し合いを行い、一つの仕組みを構築するということは、各部門が長年培ってきた慣行にメスを入れることにもなり、他の幹部からの拒否反応もありました。
しかしながら、現状の問題点を洗い出し、経営と社員代表、部門長が活発に議論を交わし合意形成しながら、日程を順守の上、改革を進めるという、一つの成功事例が出来上がったのです。
つまり、今までできなかったことが、やり方を変えることで、“できそうだ”という認識に変わったのです。
人事制度見直しの後、数年が経過しましたが、この会社ではその後、再建のための複数のプロジェクトが社内で立ち上がり、一定の成果を出されています。
今後とも、“会社の力を引きだす”ことに貢献できたらと思います。