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香港の若者、メインランドを目指す。
反政府デモによる街の占拠箇所もずいぶん減り、正月休暇も終えて、街が落ち着きを取り戻しつつある香港です。
2014年、特に後半は香港にとって忘れられない年となったわけですが、香港人力資源管理学会等の雇用統計情報を見ると、14年の失業率は年平均では3.2%と依然として低い状態ですし、企業の平均昇給率は例年とさほど変わらず4.2~4.5%程度だったようです。
先のデモでもご承知のとおり、香港人は、自分達を中国人とは一線を置いて捉えることが多いわけですが、2014年8月~9月の調査(The Bauhinia Foundation Research Center)では、香港の19から29歳までの若年層の10人中6人は、メインランドである「中国本土では働きたくない、絶対働きたくない」という回答をしています。働きたくないという理由は、安全面や衛生面、食生活や価値観の違いなどが挙げられます。
一方、わずか10人中3人だけが、「働いてもいい」という回答ですが、これは以前よりも少し改善されているようです。香港の若者の中で、より高いキャリアアップを目指すためにメインランドを目指す若者が少しずつ増えているのです。なぜならば、たとえ香港で大学を卒業し英語が堪能であっても、香港にある大手外資企業などのエリート求人は限りがあり、そういったキャリアアップにチャレンジするのであれば、メインランドの方がチャンスがあるというわけです。また、最近の香港の若者は、教育環境の変化により広東語と英語だけでなく、北京語を習得していることも背中を押す要因だと考えられます。
中国化を拒否し、民主化を求めて運動していた学生達の中でも、違う形でメインランドを相手に勝負しようという若者も出てくるのではないでしょうか。民主化の是非はともかく、そういった若者のチャレンジにも期待したいです。