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新人事制度の導入効果が出るまで

2009/04/02

4年ほど前に、当方が、人事制度構築をお手伝いさせていただいたお客様の経営トップと、久しぶりにお話する機会がありました。
その会社は、業歴が長く、業界も成熟産業で、労働組合も強固です。年功が強く処遇に反映されていたため、若手が定着せず、また定着する若手も徐々に元気がなくなっていくという状況でした。
そこで、4年前に、①高年齢層と若年層の給与格差の是正、②求められる行動や能力の明示、③評価結果及び会社業績に基づく貢献度に応じた処遇、の3つの方針のもと、構築・導入しました。
久しぶりにお会いした経営トップは、『新人事制度を導入して良かった。今となっては良く導入できたものだ。調整給の償却も今年度で終了し、若年層の昇格や昇進も進み、会社に活気が出てきた』という話をされました。会社に活気が出てきたのは、会社の経営努力の賜物ですが、私としても大変うれしい話でした。
実は、人事評価制度や給与制度などの人事制度は、導入したからと言って、すぐに効果があるものではありません。①新しい人事評価ルールを管理者間で共有する。②評価結果が給与改定や賞与に反映される。③複数年の人事評価等の積み重ねが昇格や昇進に反映される。等のサイクルを考えると、3年程度は導入効果が出るまでに時間がかかります。
もちろん、新しい人事制度を導入したことにより、等級や役職のステップアップができた、給与体系が整理されたということはありますが、これはあくまでも形だけのものに過ぎません。その箱に魂が入るまでは、やはり一定の時間を要します。
私自身も、現状とあるべき姿のギャプに挑み、お客様から導入直後に『良かった』と言われるよりも、3年経過して『良かった』と言われるコンサルティングをやっていきたいと常々考えています。

この記事を書いた人

ヒサエダコンサルティング
久枝良彰
監査法人トーマツのマネジメントコンサルティング部、およびグループ会社のトーマツコンサルティング株式会社で、組織・人事コンサルティングのプロジェクトマネージャーとして在籍。平成17年9月に、有限会社ヒサエダコンサルティングを立ち上げ、代表取締役に就任。これまで、多数の企業・公的機関・医療機関に対して、組織・人事制度のコンサルティング支援を経験している。また、学校法人産業能率大学の契約講師として、全国の企業・地方自治体の管理職研修・人事評価者研修を多数実施している。平成21年度より、中小企業基盤整備機構・中小企業大学校の契約講師も務める。九州大学大学院(MBA)修了、「組織論」を中心に研究。
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