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現在、企業の人事担当者は、どのような課題を持っているのでしょうか。
最近、発表された統計(労政時報2010年6月25日号)よると、一位は従業員の能力開発・キャリア開発、二位は優秀な人材の確保・定着、三位は次世代幹部候補の育成となっています。
その後に、従業員のモチベーション向上、賃金制度・評価制度の改訂、組織風土の変革労政、総労働時間の短縮、と続きます。
一位と二位について言えば、2008年の経済危機後、非正社員だけでなく正社員のリストラも相次ぎましたが、基本的に日本の場合は少子高齢化により、労働力人口が急激に減っています。グローバル化の背景もあり、今後は、外国人を含めた優秀な人材の獲得競争は激化し、例えば日本企業の新規学卒に占める海外留学生の比率などは、段階的に増してくるでしょう。
三位の「次世代幹部の育成」は、企業の生き残りをかけた命題です。外部からヘッドハンティングすることもできるでしょうが、できれば社内で育て上げる、選別できることが望ましいと言えます。しかし、経営幹部は、部内の実務だけをやっていても育ちません。経営の体系的な学習と、経営の一部権限委譲により経験を積ませることが大切です。
ヒサエダコンサルティングでは、パートナーコンサルタントの力もお借りし、幹部育成研修を以下のようなプログラムで実施させていただいております。
①私が当社の社長だったら
②自社の軌跡の整理
③論理思考
④会計 基礎→応用
⑤戦略
⑥マーケティング
⑦プレゼンテーション
⑧事業計画書策定
研修参加者は、10名から20名に限定し、社内から次世代の幹部と期待される社員を選抜していただきます。誰でも受講できるのではなく、選抜されるということが、本人の研修への参加動機づけも高まります。研修は、月1回、半年程度かけて実施します。最終日の2日間は、合宿形式とし、3名程度のグループで、事業計画書を完成させます。そして、最後の時間で、社長を含む経営陣の前で、プレゼンテーションを行います。
この研修により、次世代の幹部候補としての役割認識、意識醸成を図るとともに、マネジメントに活用できる基本知識・スキルを学び、将来の中核となる人材を育成していきます。この研修の受講は1シーズンだけではなく、継続的に実施することで、選抜メンバーを篩にかけ“本物”を見極めていきます。
皆さんの会社の未来の幹部は、着実に育っているでしょうか?
働く価値観の変化やワークライフバランスの重視などに伴い、企業側も、人事制度において多様なコース(人材群、職群など)を準備するようになっています。
以前は、コースと言うと、幅広い職務や基幹職務を行う「総合職」、定型職務の「一般職」の二つのコースが一般的でした。そこに、団塊世代が40歳代後半になる1990年代から「専門職」と言う形で、ラインの役職者ではない、または専門職務に特化するコースが設けられました。
例えば現在は、呼称は各社様々ですが、外部から一定期間雇用し高い専門性を発揮してもらう「プロフェッショナルコース」、転勤を伴う異動がない「ローカルコース」、正社員ながら短時間勤務の「スペシファイドタイムコース」、育児中の「ワークライフバランスコース」、将来的に独立(のれん分け)を志向する「アントレプレナーコース」、勤めとは別に研究やプロスポーツに従事する「マスターコース」、高年齢者を雇用する「エキスパートコース」など、様々です。
ただし、単に様々なコースを設ければよいという訳ではありません。まずは、会社の事業の方向性、雇用に対する会社の考え方など、職種、どうして新たなコースが必要なのか、を検討する必要があります。
そして、コースによって求められる役割が異なりますので、コース内での等級数や等級定義、昇格・降格要件、人事評価の内容、基本給の水準、諸手当の有無、コース間の異動要件、退職金の算定方法など、コースに応じて様々な内容を検討していくことになります。
皆さんの企業では、どのような働き方が求められているでしょうか。
給与制度再構築プロジェクト
2010/08/03(火) 08:44
人事制度再構築の中でも、とりわけ難しいのは、給与制度です。
理由は、個々人の既得権が明確であるからです。
そこで、給与制度を再構築し移行する際、旧制度と新制度の差額を、調整手当として一定期間、個別に設けるということを行います。
過去の産物である調整手当は設けず、新制度へ移行できた方が、すっきりと導入されることになりますが、社員にとっては、会社の意向で制度変更したにも関わらず、突然、来月から給与が変更されること(特に下がるということ)は納得いきません。
したがって、会社は、合理的な再構築プロセスを経て、社員へ説明し、特に基本給や諸手当などが下がる社員に対しては、緩和措置として調整手当を設けることになります。場合によっては、数年間の移行措置を設けることもあります。
それでは、「調整手当が出ないように給与制度を再構築できないの?」という意見もあるでしょう。
しかし、調整手当が出ないということは、「現状」から「あるべき姿」への制度変更が十分果たされていないという、裏返しでもあります。
やはり改革は一定の痛みを伴います。
その痛みがどの程度、合理的で、納得を得られるものか、そのギリギリの合意形成を図りながら進めるのが、給与制度再構築のプロジェクトです。
最近、医療や介護機関からのお問合わせが増えています。
医療や介護の組織と言っても、規模や専門性、職員の雇用形態まで様々ですが、共通点として、例えば次のような組織・人事上の課題をお持ちです。
●優秀な准看護師よりも、あまり仕事ができない看護師の方が、給与が高くなる仕組みになっており、職員の能力や成果に対して報いるシステムになっていない。
●正職員以外に「契約社員」、「パート」、「嘱託」などの様々な雇用形態があり、就業ルールや処遇が複雑になっている。
● グループの施設間で、基本給水準や諸手当の有無、夜勤手当などの額や時間が異なるので、人事異動を柔軟に実施することができない。
●職場内に、部下や後輩の人材育成という考え方がない。また、個人の経験や知識が共有化されていない。
●患者・利用者満足度を高めるという視点がなく、また患者満足度の高い職員が厚遇されているわけではない。
●特に看護職が定着せず、なかなか良い人材が入ってこない。
医療や介護機関の場合、様々な公的資格を有した専門職の方が多く、能力や行動、患者・利用者満足度で処遇が決まるわけではありません。また、公的資格を有している専門職だけに、入職時から一人前扱いで、職場内の人材育成の意識が低いということが言えます。
医療や介護機関は、組織体ということはもちろん、経営体であります。そのためには、「理念の浸透」「人材育成」「職員の動機づけ」「公正な処遇」「適材適所」などを志向した新しい人事制度が求められています。
近年、自治体職員の疲労が目につきます。例えば、以前は自治体職員は早く帰宅できるというイメージがありましたが、今は多くの職員が、日々遅くまで残業している状態です。
理由はいくつか考えられます。
一つ目は、5年程度前から、団塊世代の職員が大量退職し、この新規補充はごくわずかであること。
二つ目は、合併効果が十分得られないまま、職務量がオーバーしていること。平成の大合併がありましたが、特に地方では、本庁までの距離があり、高齢化のため、一定の支局は置おかざるを得ません。一方で、職員の定員は、住民数が基準になっているため、一つ目の団塊世代の退職だけでなく、早期退職制度により定員削減を行っています。
三つ目は、政権交代やバラマキ政策など、国政を始めとした政治が混乱していて、例えば給付金や手当、助成金などは、結局、最後は自治体の手続きに委ねられること。
四つ目は、これは当然だとは思いますが、自治体職員に対する世間からのコンプライアンスの目が厳しくなっていること。
最後に、仕事をしている、及び仕事ができる人が適正に評価されていないこと。庁内では、優秀な職員に仕事が振られる傾向がありますが、企業と異なり、優秀な職員が労働に対する厚遇を受けることは、基本的にありません。これまで人事評価制度というものはなく、基本的には、年次で昇格や昇給があっているからです。
これらのことより、自治体職員に疲労がたまり、逃げ場がない状況になっています。実際に、自治体の職員の病気や休職、不幸な死について、近頃、良く聞くようになりました。
それでは、解決策はないのでしょうか。
あらゆる施策が必要ですが、最も重要な施策は、様々な事業を「やめる」、「外に出す」ことです。形骸化して意味をなしていない事業をやめる。民間企業でできることは積極的に民間企業に出す。また、NPOや住民に任せる、ことが必要です。
ただ、一職員が、特定の事業を「やめる」ということは、なかなか言えません。やはり首長が議員が積極的に効率化を働きかけていくことが必要でしょう。
最近、自治体職員は、とかくメディアなどで叩かれがちですが、自治体職員の職務環境を見直すことが、健全な行政を再構築することにつながると考えます。



