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  3. 目標管理における目標設定の注意点とは?

組織・人事コンサルティングBlog

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年度初めの企業や自治体では、人事評価制度における目標設定及び期初面談の時期になってきました。この時期は、複数の組織で記述された目標のレビューや個々の管理職と意見交換したり、上司部下の面談立会をしています。

組織の全員が一気に目標記述のレベルアップをすることは難しいですが、ある程度修正ポイントは絞られ、それらを見直すことで、グッと精度は上がると思います。以下は、今春、目標のレビューをさせていただいた際の当方のコメント、アドバイスの一部です。

  • 部署目標、組織の課題と連動した目標が上がっていない。全ての目標が部署目標と連動している必要はないが、1~2つ程度は関連性ある目標を記述すること。
  • 目標が「~を検討する」「土台作りをする」「支援をする」「~の調整」「~の質の向上を目指す」等で表現されているのみで、達成水準(どこまで)が記述されていない。これでは期末に評価の仕様がない。
  • 専門性が高く、特定の社員が長期間担当している業務については、高い難易度が設定され、上司もそのまま認めがちである。本人の独りよがりになっている可能性もある。リスク管理の視点からも、皆といかに共有し、引き継いでいくか、後任を育成するか、資料整理しておくか等、ブラックボックス化しないための目標設定も有意義である。
  • 少人数部署は、異動や休職時の影響が大きい。将来の引継ぎを見据えて、自分たちの業務を年間、月間単位で整理する、データベース化していく等も良い目標である。
  • 管理職や係長など中間職で、職場経験もある職員は、自身の担当業務だけでなく、部下・後輩をどのように指導していくか、指導目標の設定は有意義である。指導目標であれば、主に何を指導し、どういう状態まで持っていくか、達成状態を示すこと。
  • 達成如何が外部の相手に大きく委ねられるものについては、必ずしも数値目標や達成如何を目標とするのではなく、体制作りや昨年度からの改善策を目標としてはどうか。
  • 数値目標は、評価はし易いが、無理難題な数値を掲げた場合、実際の業務に無理が生じてくる。数値目標を設定する際は、手を伸ばせば届く、適度なストレッチ目標が望ましい。
  • 「報告・連絡・相談を徹底する」「親切丁寧な挨拶・説明を行う」「推進を図る」「丁寧に行う」「円滑に処理を行う」等の心がけ事項は、原則として能力評価で評価する。目標として設定するならば、昨年度からの工夫点や改善点を記入すること。
  • 異動や担当替え等で新しい業務に取り組む場合は、知識や手続き習得などの自己啓発目標は可とする。ただし、習得に終わるのではなく、目標として学習により「9月以降は、〇〇業務は単独でできるようになる」などの業務遂行に繋げた表現で記述すること。また、新しい業務に取り組む際は、これまでのやり方の非効率な進め方等、粗も見えるはず。目標設定段階で、習得だけでなく改善のアイデアもあれば、それを目標や施策に盛り込んでいただくことは有意義である。
  • 「課内業務の推進を行う」「課内社員と役割分担を図りながら、円滑な業務を遂行する」「~に基づき適切な助言・指導を行う」等、管理職の目標は、部署の事業や課題を全て網羅した網掛け目標を記入するのではない。網掛け目標は、漠とした目標で期末に評価ができない。所属長として自身が特に力や時間を注ぎ込む必要がある事項を目標として重点化すること。
  • 管理職の目標として「時間外業務の削減」は良い目標である。目標時間数や昨年からの削減時間パーセント等、数値目標で表現することが望ましい。なお、施策では削減するための取り組み内容を記述すること。
  • 新採社員の目標は、基本的な業務を習得するような自己啓発目標が複数あっても可とする。例えば「電話応対でミスがないようにする」という表現よりも、「電話応対ノートを作成し日々更新することで、9月までにはスムーズな電話応対ができるようになる」という目標表現の方が、成果が図り易い。中間面談や一次評価の際に、参考資料としてノートを提出してもらうと評価もし易くなる。

いかがでしょうか。ご自身や部下の目標について、修正点は見つかりましたか。目標管理は、期初の目標設定及び面談如何で、その進捗や達成度に大きく影響します。期初のこの間に、しっかりと確認しておきたいものです。

以上

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